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Gemini の Code execution によって確度の高い結果を得る
はじめに
皆さん、こんにちは、エンジニアの Hodoshima です。
今日では、Gemini における Code Execution の機能を紹介します。
Code Execution 機能を使うことによって、特に、データ分析において、より正確性の高い回答を得ることができます。
Code execution とは?
Code execution(コード実行)機能とは、生成 AI がプログラムコード (主に Python) を自分自身で生成して、生成したコードを内部環境で実際に動かすことによって、結果を得る仕組みのことです。
生成 AI は文章や絵などといった創造物に対する生成は得意としていますが、計算や論理的な思考が必要になる推論、データの正確な分析や処理については苦手としており、ハルシネーション (Hallucination : この文脈では、それっぽい嘘) を生み出しやすいです。
ですが、Code execution 機能を使うことによって、生成 AI は計算方法を設計、プログラムすることに注力して、実際の処理はプログラムに任せることによって、正確な結果を取得することができます。
Code execution 機能の使い方
ここでは、Gemini における Code execution を栄養する方法を紹介しますが、大事な注意点があります。
Code execution の機能は、一般的によく使われている UI からでは使うことができません。
↓ 一般的な Gemini のブラウザ用の UI ( https://gemini.google.com/ )

Code execution の機能を使うためには、Google Ai Studio という、Gemini などを使った製品を作成するための開発者・プロトタイピング向けツール経由でないと使えません。
↓ Google Ai Studio の UI ( https://aistudio.google.com/ )

右にある Run settings 欄から、"Code execution" のスイッチを ON にすることで、Code execution の機能を使うことが可能になります。

活用例
今回は、国税庁の法人番号公表サイトからダウンロードできる、法人番号情報の csvをもとにして、検証用のデータを作成しました 国税庁の法人番号公表サイト。
今回は、このページからダウンロードできる csv ファイルをもとにして、以下のデータを作成しました。
- 青森県の csv ファイルをもとにしました。
- ファイルの制限の都合上、約 3 万 8 千件ほどあった法人番号の情報から、2,681 件を抽出しました。
- 本来、ダウンロードして得られる csv ファイルには、一番左に id カラムがあるのですが、それを削除しました。
この手順を踏んで作成した csv ファイルと合わせて、以下のプロンプトを Code execution の設定を ON/OFF にした場合それぞれについてのレスポンスを検証しました。
これは青森県における法人番号に関する csv ファイルの一部です。
この csv ファイルにいくつの法人情報が載っているかを教えてください.
id カラムを削除したのは、一番左のカラムを見ることで、何行あるかが csv ファイルだけから容易にわかってしまうことを防止するためです。
共通条件
- 検証日: 2026 年 2 月 19 日
- モデル: Gemini 3 Flash Preview
- Temperature: 0
結果
まず、Code execution を使わなかった場合の結果です。
ご提示いただいたCSVファイルの内容を確認したところ、掲載されている法人情報の数は合計で 500件 です。
内訳は以下の通りです:
1行目〜41行目: 地方公共団体や財産区など(法人番号が10000...で始まるもの)
42行目〜500行目: 一般企業、株式会社、有限会社など(法人番号が10100...〜14200...で始まるもの)
各行が1つの法人データに対応しています。
一方で、Code execution を使った場合の結果です。
- Gemini が作成したコード
import pandas as pd
# Load the csv file to count the rows
# Since there's no header in the snippet, I'll count all rows.
file_path = 'input_file_0.csv'
# Counting total lines in the file
with open(file_path, 'r', encoding='utf-8') as f:
line_count = sum(1 for line in f)
print(f"Total rows: {line_count}")
- Gemini が作成したコードの実行結果
Total rows: 2681
- 実行結果を元にした Gemini が判断した最終回答
ご提示いただいた CSV ファイル(input_file_0.csv)には、合計で **2,681 件** の法人情報が掲載されています。
Code execution の有無による結果の差分は以下の通りです。
- Code execution を使わなかった場合: 500
- Code execution を使った場合: 2,681
このように、Code execution を使った方でのみ、正しい件数を導き出せていることがわかりました。
また、回答を得るまでに使ったトークン数も、Code execution を使わなかった場合が約 2,700 Token 、使った場合が約 100 Token となっています。
そのため、今回の検証では、Code execution を使うことで、消費トークンを抑えられた上に正しい件数も得られるという良いことづくしの結果になりました。
まとめ
このように、Gemini では Code execution を利用することによって、大規模データに対する正しい分析を行うことができるようになります。そもそも、従来の生成 AI の生成ロジックは、「確率的な文章や画像生成」であるため、正確性が求められるデータ分析には向いていませんでした。しかし、Code execution を利用することによって、分析自体はプログラムで行うため、正確性が高い結果を得られるようになります。
わずかなステップを踏むだけで正確な分析を行うことができる Code exectuion の機能をみなさんもぜひ使ってみてください。
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